[事例紹介]ステーブルコインの安定神話の崩壊: USDCとUSDTの比較

2023年3月、世界中の投資家が安心していたUSDCのペッグが外れるという衝撃的な事件が発生しました。

ステーブルコインの安定神話が崩れ始めています。

ビットコインやイーサリアムのようなボラティリティが高い暗号資産の中で、ステーブルコインは「安定」を約束してくれる存在でした。

しかし、その「安定」はもはや幻想に過ぎないのでしょうか?

私もかつて、ステーブルコインがどれほど信頼できるものかを信じていました。

しかし、2023年に度々、発生したペッグの外れや暴落の事例を目の当たりにし、その考えは揺らぎました。

(ベジータもびっくりの恐怖です…)

©ドラゴンボール / 鳥山明 / 集英社

ここでは、ステーブルコインの本質、なぜペッグが外れるのか、そしてこれからの対策について詳しく解説します。

あなたの資産を守るために、ぜひ最後までお読みください。

「ステーブルコイン…君はなぜ生まれた?」
「価格の安定している暗号資産。それが俺に与えられた使命さ」

ビットコインを代表とする暗号資産(仮想通貨)は価格の変動幅(ボラティリティ)が高いことで有名です。そんな時に、現れた救世主的な存在がステーブルコインです。

ステーブル(stable)とは日本語訳で「安定した」という意味です。
様々な仕組みやアルゴリズムを活用し、1ドルに固定された暗号資産。

ステーブルコインの種類を知って投資に活かそう! / 仮想通貨

かつて私は上記の記事を執筆しました。

時価総額の高いステーブルコインは、ひっきりなしにペッグが外れることが多くなっているのです。

「どのステーブルコインが安全なのか」
「ではステーブルコインから資産を退避させればいいのか」

この記事でそんな疑問を解消できれば幸いです!

と言いたいところですが、どのステーブルコインが安全かは確証をもって答えることができません!

そのため、ステーブルコインの特性やなぜペッグが外れるのかを知り、ペッグが外れたときの対応事項を事前に頭に入れておきましょう!

結論
あくまでも比較的安全度が高いのは法定通貨である米ドル・日本円
時価総額の高いステーブルコインは、分散して保有するのが最善。
個人的な安全度は USDT USDC > BUSD > DAI > USDD
どのステーブルコインが安定してるかは不明なため、複数に分散しましょう!

※個人的にはステーブルコインよりも、ビットコイン BTC ・イーサリアム ETHといった時価総額の大きな仮想通貨で保有しておきたいと考えています。

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ステーブルコインは、価格が安定という幻想を捨てる

まずはステーブルコインの価格は、ドルペッグで安定しているという思い込みを捨てることが大事だと考えます!

ステーブルコインのUSDCやDAIは、通常、1ドルに固定された価値を持っています。
これはその価値を維持するためにスマートコントラクトがバックアップされているためです。しかし、時には市場変動により、このペッグがはずれることがあります。

ステーブルコインは安定していると思い込んでしまうと、万が一ペッグが外れて暴落したときに、精神的にも資産的にも大きなダメージを負ってしまいます。
そのため、ステーブルコインを保有する際はあくまで余剰資金がお勧めです!

時価総額の大きい主なステーブルコインは以下です。

このうち、USDT USDC DAI は、BitLendingのサービスにて貸出可能です!

仮想通貨 レンディングサービス ビットレンディングの詳細とは ビットコインを貸そう

 

ステーブルコインのペッグがはずれた事例

最も古いステーブルコインは、2014年にリリースされたTether (USDT) です。
USDTは、1 USDTが1ドルと等価であると主張しており、ビットコインやその他の仮想通貨と交換するために使用されてきました。

ですが、USDTには多くの批判があり、そのペッグについて疑問が呈されています。

様々な疑問や準備金不足などの指摘を受けて、何度も1ドルのペッグを外れる自体がありましたが、それでも1ドルに戻ってきたのです。(不死鳥のUSDT)

そのため時価総額の大きいステーブルコインは安定しているという幻想が続いていました。

 

それを打ち破ったのは、USTCです…
2022年5月にはテラショックが発生し、USTCが暴落しました。

©コインマーケットキャップより

 

テラのネットワークに接続されたUSTCは、ペッグ(1USTC=1ドル)を保つことができず、暴落したのです。

この事態に対して、テラは損失を被ったユーザーに対し、Terraform Labs(テラフォームラボ)が設立したファンドから補償を行うことを発表しました。
また、テラは、USTCのペッグを守るための新しい取り組みを開始し、より強固なステーブルコインを目指すとしていますが、2023年現在、USTCの生まれ変わりであるUST価格は1ドルに戻ってはいません。

2023年2月には、BUSDが米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から新規発行停止命令を受けて暴落しました。その後、ペッグは戻りました。

2023年3月11日には、比較的安全と思われていた、USDcoin USDCのペッグが外れる事態となりました。

その原因は、米サークル社が発行するドル建ステーブルコイン「USDC」の準備金の約8%に相当する33億ドルが、破綻した米シリコンバレー銀行に預けられていたことが判明したからです。

USDC価格は0.88ドルまで下落しましたが、同社は通常通り運営されています。(2023年3月11日時点)

同社が保有する400億ドルの準備金のうち大部分が米短期国債で運用されており、金利収入があることや、連邦預金保険公社による規範化された銀行救済と預金保護に期待されています。

参照記事
シリコンバレー銀行破綻の影響は──9.02億ドルのUSDコイン、取引所から引き出し
2023年 3月 11日 https://www.coindeskjapan.com/177373/

USDC発行元サークル 準備金の8%=33億ドルがシリコンバレー銀行に
https://jp.cointelegraph.com/news/circle-discloses-3-3b-tied-up-at-silicon-valley-bank

USDCのペッグが外れたことは仮想通貨界隈にも大きな波紋を呼んでいます…!

ゴレイヌさんも思わず、「えげつねえな」と。

©HUNTER×HUNTER / 冨樫義博 / 集英社

 

私自身も「USDCがいちばんまとも(安定・安心)なステーブルコイン」だと思っていましたが、そうではありませんでした。

皮肉にもCeFi(中央集権型金融)の破綻によって、DeFi・暗号資産にも悪影響が出てしまっています。

 

では、もしUSDCが暴落すれば、どうなるでしょうか。

発行主体のCircle社が倒産していない限り、その影響は限定的だと考えられます。
USDCは、1ドルと同等の価値を持つステーブルコインであり、多くの投資家にとっては安定した投資手段として利用されています。

なお、USDCとともに、DAIも連れ安となってペッグが外れています。
DAIはスマートコントラクトで管理される分散型メカニズムを採用しておりますが、準備金の約5割がUSDCで構成されているため、USDC暴落の影響を受けました。

 

ステーブルコインの価格が下がる原因

ここからはステーブルコインの価格が下がる原因を考えてみましょう。

一つ目は流動性の低下です。
ステーブルコインの価格を安定させるために市場にはステーブルコインを売買するための流動性が必要です。
しかし流動性が不足したときには、価格が急激に変動しやすくなります。

仮想通貨投資で利益を上げるための心構え BTC暴落は買い場か

2018-19、2022-23年のように仮想通貨の冬の時代などでは市場での売買量が低下しているため、ステーブルコインの流動性も低下し、価格が急落しやすくなります。

二つ目は投機的なトレードです。
仮想通貨市場では、ステーブルコインを利用して投機的なトレードが行われることがあります。
つまりペッグが外れたときなどでステーブルコインを安く買って高く売ることで利益を得ることを狙ったトレードです。このようなトレードはステーブルコインの価格を急落させることがあります。

これらの理由により、ステーブルコインのペッグが外れて価格が下落することがあります。

ただし、ステーブルコインの価格が急落した場合でも、スマートコントラクトなどにより価格をペッグに戻すメカニズムがあります。
また、ステーブルコインは、中央集権的な規制やマネーロンダリング防止策などの規制当局からの厳しい監視を受けており、安定した価格と信頼性を維持するために、多くの努力が行われています。

このため、ステーブルコインの価格がペッグから外れた場合でも、しばらく待てば価格が安定することも多いです。

※安心は禁物ですが…!ガンバレ!!!

 

ステーブルコインが暴落すれば、誰にどんな影響があるか

ステーブルコインが暴落した場合、それは保有者にとって大きなリスクとなります。
ステーブルコインは、一般的に、仮想通貨とは異なり、価格が安定しているため、多くの投資家にとっては、安定した投資手段として利用されています。

しかし、もしステーブルコインが暴落すれば、その価値は急激に低下し、保有者は損失を被る可能性があります。

またステーブルコインの暴落は、仮想通貨市場全体にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
仮想通貨市場は、相互につながっているため、ステーブルコインの暴落が引き金となって、他の仮想通貨の価格にも影響を及ぼすことが考えられます。

※2022年のUSTC崩壊もビットコイン BTC価格の暴落につながりました。

 

さらに、ステーブルコインの発行元によっては、発行停止措置がとられることがあります。
この場合、ステーブルコインの価値・価格が低下する可能性があります。このような措置がとられた場合、保有者は返金を受けることができるかもしれませんが、返金されるまでに時間がかかることもあるでしょう。

つまり、ステーブルコインの暴落は、保有者にとっては大きなリスクとなるだけでなく、仮想通貨市場全体にも影響を及ぼす可能性があるのです…

©ポケットモンスター / ゲームフリーク / 任天堂

 

現在の状況と直近で対応すべき事項

それでは私たち投資家はステーブルコインの暴落に備えて何ができるでしょうか。

一つの案としては、保有するステーブルコインのうち9割以上を安全圏(日本円・米ドル)の資産に退避することが挙げられます。
これにより、ステーブルコインの暴落や発行停止措置の影響を受けるリスクを最小限に抑えることができます。

また、「備えあれば憂いなし」という言葉通り、防御力を高めることも重要ですね!

教科書通りの文言で言うなら「公式声明やメディア報道など、影響を受ける可能性がある情報については、注意深く見直し、適宜リスクマネジメントを行うこと」が求められます。

しかし、どのステーブルコインが安定しているかは不明なため、複数に分散することが重要ですね!

なお、私は、下記の記事で記載したように、
バイナンスの信用不安などの際にもリスクヘッジの対策を実行しています。

ステーブルコインも取引所も、分散させてリスクを回避するという考え方は共通していますね。

仮想通貨 国内取引所とウォレット どちらが安全? バイナンスから撤退

 

定期的に自分の資産ポートフォリオを見直し、一部のステーブルコインに資産が偏らないようにすることが大事かもしれません!

個人的にはステーブルコインよりも、ビットコイン BTC ・イーサリアム ETHといった時価総額の大きな仮想通貨の方が安定しているとさえ感じています!

仮想通貨格付けガイド:アルトコインとビットコインのランキング

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!

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ただし、暗号資産は値動きが大きいため、まずは資産の1%以下の少額からの保有をお勧めします。

 

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👉最後に
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Ⅱ 暗号資産:ビットコイン,イーサリアム,アルトコイン,用語解説,歴史
Ⅲ 戦略.リスク :投資戦略とリスクを回避する情報(主 暗号資産,次 伝統資産)
Ⅳ 心構え :投資をする上で重要な心構えとマインド
Ⅴ 納税  :暗号資産に関する税制度や納税
Ⅵ 伝統資産:株式,貴金属,法定通貨
Ⅶ コラム :時事・ニュース,投資,STEPN,こちら織田証券㈱

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クリプトッシー
[職業]会社員/投資家/投資系SNS運営(HP YOUTUBE)  [略歴]2016年 国土交通省入省、株式投資開始  2018年 仮想通貨投資開始  2021年 暗号資産交換業者に転職  2023年 令和の虎CHANNEL出演  2024年 投資総利益1000万円を突破  [取得資格抜粋] 宅地建物取引主任者(合格)、日商簿記3級、FP技能士3級