近年、金地金の価格は歴史的な高値圏で推移しています。
ニュースやSNSでも「金が最高値を更新」「金はまだ上がるのか」といった話題を目にする機会が増えました。
ただ、金価格は株式のように企業業績で決まるものではありません。
背景にあるのは、世界経済、通貨の信頼、国同士の緊張関係といった非常に大きな流れです。
この記事では、
「金地金の価格は今後どうなっていくのか?」
「なぜ世界中で金が買われ続けているのか?」
という疑問について、2023年から2040年という長期目線で整理します。
テクニカル分析や短期予想は使いません。
中国・ロシアの動き、米ドルの立ち位置、金の需給といったマクロと地政学の視点から、解説していきます。
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金価格は「不安」が高まると上がりやすい
まず押さえておきたいのは、金の基本的な性格です。
金は昔から「安全資産」と呼ばれてきました。
株や不動産のように成長を期待する資産ではなく、
通貨や金融システムへの不安が高まったときに選ばれやすい資産です。
実際、
・2008年のリーマンショック
・2020年のコロナショック
といった世界的な危機の局面では、金価格は大きく上昇しました。
最近の金価格上昇も、
「景気が良いから」ではなく、
世界が不安定になっていることの裏返しと見ることができます。
中央銀行が金を買い続けている理由
ここ数年、金市場で特に注目されているのが各国の中央銀行による金の大量購入です。
中国、ロシア、インドなどの国々は、
外貨準備の中で金の比率を着実に高めています。
これは単なる投資ではありません。
背景にあるのは、
「米ドルだけに頼るのはリスクが高い」という考え方です。
ロシアは制裁をきっかけに、
外貨準備からドルやユーロを減らし、
金と人民元を重視する体制へと移行しました。
中国も同様に、
長期的にドル依存を下げ、
自国通貨と金を軸にした備えを進めています。
中央銀行は短期の値動きで売買しません。
それでも金を買い続けているという事実は、
「通貨そのものへの不信」が世界で広がっていることを示しています。
米ドルの信頼と、金が見直される構造
金価格を考える上で、
米ドルの存在は避けて通れません。
現在の国際金融は、米ドルを中心に回っています。
しかし、
・米国の財政赤字の拡大
・国債残高の増加
・通貨を制裁手段として使う動き
などにより、
ドルの「絶対的な安心感」は以前より弱まっています。
ドルの信頼が揺らぐと、
「どの通貨にも依存しない資産」として金が選ばれやすくなります。
金は国の信用に左右されません。
誰の債務でもない、という点が最大の強みです。
そのため、
インフレ懸念、金融不安、地政学リスクが重なる局面では、
金への資金流入が続きやすい構造になっています。
金は簡単に増えない資産でもある
もう一つ重要なのが、供給の問題です。
金は「価格が上がったからといって、すぐに増産できる資源」ではありません。
新しい鉱山を見つけ、掘り、精製するまでには長い時間がかかります。
世界の金の採掘量は、ここ数年ほぼ横ばいです。
大きな増産は起きていません。
リサイクルによる供給もありますが、
価格が上がると「売らずに持ち続ける」人が増えるため、
供給が一気に増えるわけではありません。
つまり金は、
需要が増えやすく、供給が増えにくい
という性質を持っています。
この構造も、長期的な価格を支える要因になっています。
ここまでの整理(前半まとめ)
ここまでの話をまとめると、
金地金価格の長期的な背景には、次のような流れがあります。
・世界的な不安定さが増している
・中央銀行がドルから金へ分散を進めている
・米ドルの信頼が相対的に低下している
・金は簡単に増えない資産である
これらが重なり、
金は「一時的なブーム」ではなく、
構造的に注目されやすい環境に置かれています。
では本題です。
こうした環境を踏まえると、金地金の価格は今後どう推移していく可能性があるのか。
ここからはあくまで「予想」であり、
将来を保証するものではありません。
その前提のうえで、考えられるシナリオを長期目線で整理していきます。
金価格は「一方向に上がり続ける」わけではない
まず大前提として、
金価格は一直線に上がり続ける資産ではありません。
途中で大きな調整や、
数年単位での停滞局面が入る可能性は十分にあります。
ただし、
長期トレンドとしては「下がりにくく、押し目を作りながら上値を切り上げる」
そうした動きを想定する見方が増えています。
理由は明確です。
・世界の不確実性は一時的なものではない
・ドル一極体制が徐々に変化している
・金は中央銀行レベルで戦略的に保有されている
この構造が変わらない限り、
金の役割が急になくなるとは考えにくいからです。
2023年〜2030年:高値圏での定着と調整の繰り返し
2023年以降の数年間は、
金価格が高値圏で推移しやすい局面と見る見方が一般的です。
理由は、
・インフレが完全には収束していない
・地政学リスクが常態化している
・中央銀行の金購入が続いている
といった要因が重なっているためです。
一方で、
米国の金融引き締めや、
一時的なドル高局面では、
金価格が調整する場面も想定されます。
つまりこの期間は、
「大きく下がらないが、急騰と調整を繰り返す」
そんな動きになりやすいと考えられます。
2030年〜2040年:通貨の信認が焦点になる時代
2030年以降を考えると、
金価格のカギを握るのは通貨への信頼です。
米国の財政赤字と国債残高は、
今後も増加が続くと見られています。
同時に、
中国・新興国はドル依存を下げる動きを続ける可能性が高いです。
この流れが進めば、
「ドルだけが絶対に安全」という前提は、
さらに揺らぐことになります。
そのとき、
どの国の信用にも依存しない金は、
価値の保存手段としての役割を強める可能性があります。
長期では、
金価格が名目ベースで現在より高い水準にある、
というシナリオは十分に考えられます。
金価格予想は「レンジ」で考えるのが現実的
金の将来価格を、
ピンポイントで予想することはできません。
そのため重要なのは、
「上がるか、下がるか」ではなく、
どのレンジで推移しやすいかを考える視点です。
長期的には、
・世界的な通貨不安が強まる
・インフレが再燃する
・地政学リスクが拡大する
こうした条件が重なれば、
金価格が現在の水準を明確に上回る可能性もあります。
一方で、
世界が安定し、
通貨への信頼が回復すれば、
金価格が伸び悩む局面もあり得ます。
つまり金は、
未来への保険のような資産として捉えるのが現実的です。
投資として金を見るときの考え方
金地金は、
「短期間で大きく儲ける」ための資産ではありません。
株式のような成長性も、
配当もありません。
その代わり、
・通貨価値の下落
・金融システム不安
・地政学リスク
こうした事態に対する耐性があります。
そのため、
金への投資は
「資産を増やす」というより、
資産を守るための選択肢として位置付ける方が適しています。
2023年から2040年にかけての金地金価格は、
世界情勢と通貨の信頼を映す鏡のような存在になりそうです。
・中央銀行の金需要は続いている
・ドル一極体制は揺らぎつつある
・金は増えにくい資産である
これらを踏まえると、
金は今後も一定の存在感を保ち続ける可能性があります。
ただし、
金価格の上昇は保証されているわけではありません。
投資として金を考える場合は、
ポートフォリオの一部として、
自分のリスク許容度に合わせて取り入れることが重要です。
本記事の内容は、
2025年時点の情報と各種公開資料をもとに整理したものであり、
将来の成果を保証するものではありません。
最終的な判断は、
必ずご自身の考えと責任のもとで行ってください。







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